12月定例会本会議で「戦争法」「TPP」「JR三江線」「放課後児童クラブ」「病児保育」「外園海岸の保全」をテーマに質問に立ちました

12月2日、県議会定例会で質問に立ち、戦争法、TPP、JR三江線の存続、放課後児童クラブ、病児・病後児保育、外園海岸の保全の6つテーマを取り上げました。

▼○大国陽介議員▽ 日本共産党の大国陽介でございます。6項目について質問いたします。

 質問の第1は、戦争法(安全保障法制)についてであります。

 9月19日未明、安倍政権は、空前の規模で広がった国民の運動と、6割を超す今国会での成立に反対という国民世論に背いて、戦争法(安全保障法制)を参議院で強行可決・成立させました。戦争法によって自衛隊の活動が大幅に拡大され、戦闘地域での兵たん、戦乱が続く地域での治安活動、米軍防護の武器使用、集団的自衛権の行使が可能となります。そして、そのどれもが憲法9条をじゅうりんして、海外での武力行使に道を開くものとなっています。戦争法は、自衛隊員の命、国民の命を危険にさらすものであることは明白であり、米軍の低空飛行訓練の強化や美保基地の米軍基地化などが一層進むことが予想され、県民にさらなる危険を及ぼすものにほかなりません。

 戦争法は、多くの憲法学者に加え、元内閣法制局長官、元最高裁判所長官を含む、かつてない広範な人々から憲法違反と厳しく指摘されています。そして、若者、子育て世代、働く世代、高齢者など、幅広い世代が運動に立ち上がり、法が可決された今でも、戦争法を廃止せよと各地で大規模な集会やデモが引き続き取り組まれ、国民の運動は続いています。このもとで日本共産党は、野党は共闘して安倍政権を倒してほしいとの声に応え、戦争法廃止、立憲主義を取り戻す、この1点で一致する全ての政党、団体、個人が共同して、戦争法廃止の国民連合政府を樹立することを呼びかけています。戦争法廃止、日本の政治に立憲主義、民主主義を取り戻すという課題は、文字どおりの国民的な大義を持った課題であります。これを実現するためには、衆議院と参議院の選挙で廃止に賛成する政治勢力が多数を占め、国会で廃止の議決を行うことが不可欠です。我が党は、野党間に政策的な違いがあっても互いに留保、凍結して、憲法違反の戦争法廃止、立憲主義の秩序を回復するという緊急、重大な任務で団結し、来るべき国政選挙での選挙協力を行うことを積極的に呼びかけるものであります。

 知事に2点、伺います。

 1つに、強行可決・成立した戦争法(安全保障法制)は、国会審議でも明らかなように憲法9条に違反し、立憲主義、民主主義、平和主義を根底から否定するものであり、絶対に許されないものと考えますが、所見を伺います。

 2つに、立憲主義を否定する政府・与党の行為に対し強く抗議し、戦争法の廃止を要求することこそ、平和と安全を希求する県民の願いに応えるものと考えます。所見を伺います。

 次に、TPP大筋合意について伺います。

 10月5日、TPP交渉が大筋合意したとする閣僚声明が発表されました。TPP交渉には、アメリカ、日本など12カ国が参加、関税分野とともに貿易のルールを全面的に見直し、域内の貿易の拡大を図ることを目的に交渉が行われました。安倍内閣が発表した大筋合意では、関税分野について10月5日にTPP協定の概要が示され、米、小麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の重要5品目の交渉結果が明らかとなり、続いて重要5品目以外の農林水産物や工業製品でも追加発表が行われ、交渉結果が次々と明らかになっています。これらの内容は、国会決議で聖域とされた重要5品目での関税撤廃が含まれ、決議違反であることは明らかであります。

 さらに、5品目以外の大部分の農林水産品についても、かつてない大幅な関税の撤廃、引き下げを約束するなど、我が国の農林水産業に深刻な打撃を与える大幅な譲歩を行っています。その上、11月5日に明らかになった協定案では、我が国が関税を撤廃しなかった品目についても、TPP協定発効から7年がたった後に農産物輸出国と協議するという条項が入っており、今回は関税を残した品目でも、さらなる開放が迫られることになります。

 重要5品目の交渉結果は、具体的にどうなっているでしょうか。米では、現行の国家貿易制度とキロ当たり341円の枠外関税率は残しますが、SBS方式で国別枠を設け、アメリカから当初5万トン、13年目以降7万トン、オーストラリアから当初6,000トン、13年目以降8,400トンを輸入するとしています。調整品、加工品についても、関税を5から10%引き下げます。

 小麦では、国家貿易とキロ当たり55円の枠外関税率は残しますが、アメリカ、オーストラリア、カナダに国別輸入枠を新設し、当初19万2,000トン、7年目以降25万3,000トンにふやし、事実上の関税であるマークアップと呼ばれる政府が輸入する際に徴収している差益を、9年目までに45%削減します。

 牛肉では、現行38.5%の関税率を、当初27.5%、10年目から10%、16年目以降9%に引き下げ、輸入急増時のセーフガードは発動の条件を緩和しつつ、16年目以降、4年間発動がなければ廃止することになっています。豚肉は、進出によって完全に差をつける差額関税制度は維持しますが、安い肉の関税は10年目に撤廃し、現行でキロ当たり485円となっている高い肉の関税は、当初125円、10年目以降50円に引き下げます。

 乳製品は、国家貿易と枠外関税率は維持するものの、TPP輸入枠を設定し、脱脂粉乳とバターの輸入を生乳換算で当初6万トン、6年目以降7万トンにふやします。

 砂糖などの甘味資源作物は、現行の価格調整制度は維持しますが、高糖度の精糖原料の関税を撤廃し、加糖調整品にTPP輸入枠を設け、品目合計で当初6万2,000トンからスタートし、9万6,000トンに増加させます。また、でん粉も同様の仕組みで、TPP輸入枠を当初2万7,000トンから3万6,000トンにふやします。

 これら以外にも、さまざまな形で重要5品目での関税撤廃、引き下げ、輸入枠の拡大が盛り込まれています。これらは、国内での需要に関係なく、米など生産制限を行っている品目にまで大量な輸入枠を設定するもので、国内生産を縮小させ、国民の食料、農産物市場を輸出国に明け渡すものと言わざるを得ません。

 さらに、重要5品目以外の農林水産品でも、関税の大幅な撤廃、引き下げが約束され、ソバ、ブドウ、イチゴ、メロン、スイカ、タマネギ、白菜、レタス、リンゴなどの果物、アジ、サバ、サンマ、ブリなどの水産物、合板や住宅資材などの林産物についても、即時または十数年後に関税を撤廃することになっています。野菜、果物、水産物などは、米など重要5品目とともに日本の豊かな食生活を支えるとともに、地域経済の重要な部分を担っています。林産物も、森林、国土の適切な管理に欠かせないものであるとともに、地域経済を支える重要な産品であります。

 関税分野以外ではどうでしょうか。食の安全では、収穫前及び収穫後に使用される防カビ剤、食品添加物並びにコラーゲンに関する取り組みに一致を見たと、食品添加物の認可数をふやすことを決めた閣議決定を誠実に実行することを約束しています。保険分野では、日本政府がかんぽ生命に有利な競争条件を与えないことを日米合意文書で取り決めました。国会決議で、濫訴防止策等を含まない、国の主権を損なうような条項は合意しないとされたISDSについての条項も含まれています。知的財産でも、新薬のデータ保護期間が実質8年とされ、製薬大企業の利益が保護される一方で、安価なジェネリック医薬品の市販がおくれ、途上国の政府や患者の負担が増す懸念があります。

 大筋合意の発表によってTPP交渉は決着がついたかのように報じられていますが、そうではありません。現在の段階は、秘密裏に行われた交渉の結果である協定案が発表されたところであり、関係国での議論も国会での承認批准もこれからとなります。政府は、これらの内容を国民にわかりやすく説明し、国会決議に照らしてどうなのか、国民生活に何をもたらすのか、国会で徹底的に審議し、明らかにすることが求められています。その上で、国のあり方を大きく変えることとなるTPP協定案の是非について主権者である国民に判断を仰ぐことこそ、民主主義に基づく政治の責任であると考えます。

 この間、JAの関係者、酪農家、ブドウ農家、稲作農家からお話を伺いましたが、歓迎する意見は全くなく、大筋合意の内容はとても国会決議を守れたとは思えない、ブドウが即時撤廃となって驚いた、これから先どうなるのか不安、円安で飼料が高騰していて酪農は今でも大変なことを政府はわかっているのか、低米価であえいでいるのに、さらに輸入をふやすとは納得いかないなど、怒りと不安の声が寄せられました。この声に応え、島根の農業と県民生活を守ることこそ、県政の進むべき道ではないでしょうか。

 そこで、伺います。

 1つに、TPP交渉参加に当たって、国会決議では、米、小麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の農産物重要5品目を除外するよう求めていました。しかし、大筋合意では、重要5品目の586品目のうち174品目、約3割が関税撤廃されます。これは明らかに国会決議に反すると考えますが、所見を伺います。

 2つに、重要5品目以外では、野菜、果物、木材、水産物でほとんどが関税撤廃となり、日本の農林水産物への影響ははかり知れません。TPPに批准し発効することになれば、地方の再生や中山間地域の活性化に逆行し、島根の第1次産業と農村、漁村地域の存立が危ぶまれる事態になりかねないと考えますが、所見を伺います。

 3つに、大筋合意と言いますが、今後、協定文書の作成、調印、各国の批准、国会承認が必要となります。発効すれば、島根の基幹産業である農林水産業へのマイナスの影響は避けられません。さらに、関税だけでなく食の安全、医療・保険、雇用など、国民生活全般や地域経済にかかわるルールが変更されます。国に対し、協定文書の作成及び調印の中止を訴えるべきと考えますが、所見を伺います。

 質問の第3は、地域公共交通とJR三江線についてであります。

 10月16日、JR西日本が三江線の廃止を検討していることが明らかになりました。沿線自治体の関係者はもとより、沿線の住民から存続を求める声が上がっています。私は11月13日に現地を訪ね、三江線にも乗車するとともに、通院や通学で利用されている方、住民の方、観光協会や商工会の関係者、県外の観光客の方から直接お話を伺ってきました。80代の男性からは、江津に住む娘や孫に会いに行ったり済生会へ受診したりするときに利用する、以前は運転免許を持っていたが、病気を患ってからは車に乗れなくなった、赤字といっても、これがなけりゃやれん。同じく80代の女性からは、浜田の医療センターに行くのに使う、なくなれば過疎が余計に過疎になる。高校生からは、スクールバスに乗れないときに利用しているが、なくなると困る。京都から観光で訪れていた男性からは、三江線は目立ったところはないかもしれないが、江の川の風景がゆったりとしていてとてもいい。観光協会の方からは、机の上だけでは語れない、ここに駅があるからこそ玄関口となる、利潤のために公共性を失ってはいけないなど、三江線の存続を求める切実なお話を多く伺いました。

 そして、実際に乗車し、美しい景色を眺めるとともに、便数が少なく不便なことも感じました。また、車などを利用できない高校生や高齢者、県外からの観光客の方々に多く利用されてることもわかりました。今回の現地調査で多くの方から直接お話を伺うことで、地域交通の役割やあり方、地域経済への影響、まちづくりなど、単なる交通手段にとどまらない地域資源としての鉄道の値打ちを再認識したところであります。

 そこで、3点伺います。

 1つに、交通、移動の権利は、日本国憲法が保障した居住、移転の自由、生存権、幸福追求権などが関連する新しい人権と言えるものです。住民が安心して豊かな生活と人生を享受するためには、交通、移動の権利を保障し、行使することが欠かせないと考えますが、所見を伺います。

 2つに、交通は人や物の交流や活動を支え、住民生活にとって欠かせないものです。とりわけ自家用車を利用できない人にとって、バスや鉄道などの公共交通は通勤、通学、通院、買い物など、生活を送る上で欠くことのできない存在です。その存廃が単に経済性のみで決定されることになれば、地域公共交通の社会的責任が根底から問われることになると考えますが、所見を伺います。

 3つに、JR西日本が廃止を検討している三江線は、沿線住民の生活交通として、また全国から観光等で訪れる方々の交通手段として、多くの方に利用されています。鉄道は住民生活に欠かせない交通手段であると同時に、単なる交通手段にとどまらない地域の資源です。鉄道の持つ役割を改めて位置づけ、沿線住民とともに三江線の存続を求めて行動することを求めますが、所見を伺います。

 質問の第4は、放課後児童クラブについてであります。

 4月から始まった子ども・子育て支援新制度で放課後児童クラブが明確に位置づけられ、対象が小学校6年生までと定められたほか、自治体の条例によって施設の最低基準などが決められました。現在、県内のほとんどの自治体で放課後児童クラブが設置されていますが、小学校区単位で見れば未設置の校区も多く残されています。クラブごとにおいて利用料や保育時間、支援員の待遇にもばらつきがあり、必ずしも満足できるものとはなっていません。不足する施設や総定員数をふやすこと、利用時間の延長などの利便性の向上や待遇改善は喫緊の課題と言えるものです。

 保護者からは、今は1年生なので利用できているが、来年は入れなくなる可能性があると言われたとか、夏休みや冬休みなどの長期休暇中だけでも受け入れてもらえると助かる、保育園は延長があるのに学童は18時まで、職場に勤務時間の短縮をお願いするしかないのでしょうか、18時までだと間に合わないことも多く、延長があると助かる、共働きの核家族なので、3年生以上になっても見てほしいなどの声をお聞きします。児童クラブの関係者からは、子どもの人数が多く、大人の数があったとしても人の目が届く範囲には限界があり、けんかが起きたりすると収拾がつかなくなるときがある、行政の言う待機者の数は実際の数とは異なっている、支援員の待遇も決していいとは言えないなどの意見が寄せられています。

 そこで、5点伺います。

 1つに、放課後児童クラブは、保育所と同様に働きながら子育てをするには欠くことのできないものです。放課後児童クラブに対する行政の責任、現状の課題と今後の方向性をどのように認識しているのか伺います。

 2つに、4月からスタートした子ども・子育て支援新制度で、6年生までが利用の対象となりました。必要とする全ての児童が利用できるよう、定員増に向けて施設の新設や増設、支援員の確保、育成に対し市町村へ積極的な支援を行うことを求めますが、所見を伺います。

 3つに、多くの放課後児童クラブが利用時間を午後6時ごろまでとしています。保育所と同様に時間延長が可能となるよう支援策を講じることを求めますが、いかがですか。

 4つに、子どもたちを保育する支援員の多くが、時給800円前後の低賃金での雇用となっています。支援員の待遇改善は急務の課題と考えますが、所見を伺います。

 また、ほかにも、障がい児の受け入れ態勢、利用料金の負担軽減、支援員のスキルアップ、生活の場にふさわしい施設・設備基準、夏休みの居場所としての利用、支援の単位40の考え方と実態、運営方式など、課題は山積しています。現場の実態をよく把握し、改善に向けて支援策の検討を求めますが、所見を伺います。

 質問の第5は、病児、病後児保育についてであります。

 子どもは大人と違って、よく体調を崩します。特に冬などはウイルス性の感染症にもかかりやすく、働きながら子育てをする家庭は、いつも子どもの体調が気がかりです。保育所で熱が出るなどして体調を崩したときには、職場を早退し迎えに行かなくてはなりません。翌日治っていなければ、仕事を休まなければなりません。また、回復しつつも調子がよくなければ、仕事を休むか保育所へ預けるのか頭を悩ませます。そんなときに助けてくれるのが病児、病後児保育の存在です。

 そこで、2点、伺います。

 1つに、病児、病後児保育は、保育所や児童クラブと同様に働きながら子育てをする家庭にとって必要不可欠の保育サービスです。県内の現状と課題について認識を伺います。

 2つに、県内12市町村で実施されていますが、29施設、総定員99名にとどまっており、利用しようと申し込んだが定員いっぱいで断られた、そもそも近くにないので利用できる条件にないとの声が上がるなど、決して十分な受け入れ態勢が整っているとは言えません。病児、病後児保育が大幅に拡充されるよう、市町村に対し必要な支援を講じることを求めますが、所見を伺います。

 質問の最後は、出雲市の外園海岸の保全についてです。

 出雲市の西側に位置する外園海岸は、出雲神話でも知られる薗の長浜の一部で、白砂青松の美しい海岸線が南北に続いています。地元の住民は、夏の海水浴や魚釣りなどを楽しむとともに、ハマボウフウの復活に向けた取り組みや毎年恒例の海岸清掃など、この砂浜に愛着を抱き、自然を大切にしながら日々の生活を送っています。しかし、この外園海岸は、近年、砂浜の侵食が進み、年を追うごとに海岸線が迫ってきています。住民の方からも、戦前は運動会ができるぐらい広い砂浜だった、ここ数年で急激に侵食が進んできているように感じる、対策を講じてほしい、数年後には住宅地にも影響が出るのではなど、不安の声も寄せられています。過去と比較してどの程度侵食をしたのか、またその要因と考えられるものは何か、調査結果をお示しください。

 本年10月、薗の長浜土砂管理計画が示され、海岸の保全に向けて対策が行われることになっていますが、計画の概要をお示しください。

 また、過去の養浜の経験も教訓としながら、住民の理解と納得のもとで計画を遂行していくことを求めますが、所見を伺います。

 以上で質問を終わります。御協力ありがとうございました。(拍手)

 

▼○知事(溝口善兵衛)▽ 大国議員の御質問にお答えをいたします。

 最初の質問は、先般成立しました安全保障関連法についてであります。

 日本という国の安全保障をどう確保するかということにつきましては、これは国全体の問題でありますので、国民の代表である国会において論議がなされ、決定されるべきものであります。議員の御意見は御意見として承りましたが、御指摘の安全保障関連法の国会審議におきましては、国会のルールに基づき審議がなされ、成立したものだと理解をしております。

 2番目に、安全保障関連法の成立に関連をしまして、政府・与党に抗議し、廃止を要求することについての御質問がありました。

 今御答弁申し上げましたように、安全保障関連法は、国会のルールに基づいて審議され成立したものであります。他方で、議員御指摘のように国民の皆さんの中には反対意見もありますので、政府におかれましては、この関連法に対する国民全体の理解が得られるよう、引き続き努力すべきものだというふうに考えております。

 次に、TPPの大筋合意と国会決議との関連についての御質問がございました。

 TPPは多国間による難しい交渉でございます。交渉でございますから、いろんなやりとりの中でいろんなことが議論をされ、国としてどう対応するか、真剣に政府として取り組んでこられたわけでございます。したがいまして、国会決議等に関連した質問等に対しましては、国会審議におきまして政府によりよく説明をされ、協定案あるいは関連法案、予算案などを含めまして、国会自身が総合的に判断されるもんだというふうに理解をしております。

 次に、TPPの影響についての御質問でございます。

 政府は、品目ごとの農林水産物への影響を公表をしております。米につきましては、国別枠の輸入により国内の流通量が増加すれば、国産米の価格水準が下落することも懸念される、牛肉につきましては、関税引き下げにより長期的には米国、豪州等からの輸入牛肉と競合する乳用種を中心に国内産牛肉全体の価格の下落も懸念されるなど、こうした影響を当面の一つの目安として出されたというふうに思います。昨日の岡本議員の御質問にもお答えしたところでありますけども、こうした影響を回避するため、政府では重要5品目についての経営安定、安定供給のための備えや攻めの農林水産業への転換などを柱としたTPP関連政策大綱を決定をされ、今後、国の補正予算等において予算の手当てを含め、具体化をしていくことが見込まれているところでございます。

 一方、TPP協定合意のいかんにかかわらず、農業につきましては、国内の産地間競争に対応できるよう、地域の特性に応じ、政府の施策を活用しながら必要な施策を講ずることが重要であります。県では、着実に成果を得ることができるよう、戦略的に集落営農の広域連携や法人化、農地集積による競争力のある経営体の育成、高品質米の契約的取引による売れる米づくり、増頭によるしまね和牛の生産基盤の強化、6次産業の規模拡大や、事業者や県民による積極的な地産地消の取り組みを推進することなどを行って、島根の農業を守り、発展をさせていくように努力をしていきたいと考えております。

 次に、TPPの協定文書の作成及び調印の中止を訴えるべきではないかという御質問でございます。

 先ほど来申し上げましたが、TPPにつきましては国内でもいろんな意見があるわけでございます。影響を受けるところ、受けないところ、他方で、日本が国際社会の中で生きてくためにどうしなければいけないという課題も、日本全体としては抱えておるわけでございます。そういうTPPの難しい中で、政府は一定の選択をされて、このTPPに参加をされるっていうことを決められたわけでございます。これから、議員が御指摘のような食の安全性等の議論も含めまして、TPP協定につきましては国会の審議の過程で政府はよく説明をされ、国会のルールに基づき、国会で決定をされるということでございますが、国会で議論が尽くされることを私どもとしては願ってるとこでございます。

 次に、交通移動の権利を保障することについての御質問でございます。

 いわゆる移動権につきましては、交通政策基本法の制定過程において、国において検討された経緯があると聞いております。国の検討では、移動権の具体的内容が定義できるだけの国民のコンセンサスが得られていないといったようなことから、法律で移動権を規定することは現時点では時期尚早であるとされ、交通政策基本法に移動権は盛り込まれていないということであります。いずれにしましても、住民の日常生活を支える移動手段の確保は重要な課題であります。先般作成いたしました県の総合戦略には、生活交通の確保を盛り込んでおりまして、交通弱者の移動手段を確保するための支援なども検討していく考えでございます。

 次に、地域公共交通の存続を経済性のみで決定することの是非について質問がございました。

 公共交通っていうのはどういうふうに定義するかっていうのは、人によって違う面があろうかと思いますが、一般論で申し上げますと、公共交通の採算性を確保することが容易でない地域におきましても、交通にかかわるさまざまな関係者が協力し、地域の実情も踏まえていろいろな交通手段を組み合わせながら、高齢者など交通弱者の移動手段の確保に努めることが重要であるというふうに考えているところでございます。

 次に、三江線についての御質問でございます。

 これも昨日から答弁申し上げてるところと変わりませんが、繰り返しになりますが申し上げますと、10月、JR西日本から、利用者のニーズに合致した持続可能な公共交通の検討に入りたいという趣旨の説明を沿線6市町が受けられまして、県も受けましたが、沿線6市町では住民への説明会や議会への報告を行っておられるところでございます。11月6日には、沿線市町の首長の方々、議長さんが集まられて会議をされ、6市町が共通の認識のもとで、この問題に取り組んでいくということを確認されたそうであります。そして、11月22日には、首長さん方と議長さん方がそろってJR西日本本社を訪れ、社長から考えを直接お聞きになりました。沿線6市町では、この社長の考えを踏まえ、後日改めて集まり、今後の進め方について協議をするとされておられます。

 沿線市町では、この問題に臨むに当たり、それぞれがばらばらな考えで対処するのは適当でないと、共通のスタンスでJR西日本と対話をしていく必要があると考えられておるということでございます。そのための市町の調整協議に若干の時間がかかるが、協議が調ってから県にも相談をしたいという意向であると報告を受けております。したがいまして、県としましては沿線市町の首長の方々の考えをよくお聞きし、よく相談をしながら適切に対応していくことが必要であるというふうに考えてるところでございます。以上であります。

 

▼○健康福祉部長(藤間博之)▽ 放課後児童クラブと病児・病後児保育の2分野、7点についてお答えをいたします。

 最初に、放課後児童クラブに対する行政責任をどう考えるか、また現状の課題と今後の方向性がどうかということでございます。

 いわゆる学童保育と呼ばれる放課後児童クラブは、仕事と子育ての両立を支援していく上で不可欠な制度であると認識をしております。子ども・子育て支援法によりまして、その実施主体及び責務は市町村と規定をされております。県は市町村の事業が適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言や適切な援助を行う立場にあるというふうに思っております。

 県内には放課後児童クラブが5月1日現在で208カ所設けられておりまして、7,216人の児童が利用しておりますが、その課題は大きく3つあると認識をしております。1つは、待機児童の問題です。現在も、利用定員の関係から申請しても入れない待機児童が100人近くいる状況です。また、今年度から放課後児童クラブの対象学年を、これまでの3年生から6年生まで拡大するという国の制度改正がございましたが、全学年の受け入れにまだ対応できていないところもございまして、正規の申請には出ない潜在的な待機児童はもっといるのではないかと推察をされます。

 2つ目は、施設設備の問題です。学校内の専用施設や空き教室、また公民館や民間施設など、使われている場所や設備内容、それぞれかなり異なりますが、子どもたちの生活の場として施設の数や面積、設備など、まだ十分とは言えない状況にあると思います。

 それから3つ目は、職員の体制です。児童の指導に当たるスタッフは、これまで資格要件はありませんでしたが、今年度から資格を持った支援員の配置が義務づけられました。その資格取得のためには一定の研修受講が必要であり、その人材確保も大きな課題となっております。

 今後の方向性ということにつきましては、まさにそれらの課題がどう解決されるのかという点になろうかと思います。国の専門委員会におきましても、全国的な登録児童数の増加と待機児童の問題への対応、それから全体的な市の底上げを図ることの必要性などが示されたところでございます。県といたしましても、量の拡充と質の改善がより重要になってくるというふうに認識をしております。

 次に、放課後児童クラブの定員増に向けた市町村への支援についてでございます。

 施設整備に関しては、県ではこれまでも国の補助制度を活用いたしまして、放課後児童クラブの新築改修や施設設備に対しまして支援をしてまいりました。このたび6年生まで対象児童を拡大する措置がなされ、施設をどうするかということも出ようと思いますが、まずは整備に対する市町村自身の考えや対応方針をよく聞きまして、その上で県として必要な支援をしていきたいというふうに思います。

 一方、支援員の確保につきましては、今後継続して支援員を務めるためには放課後支援員認定資格研修を受講することが義務づけられたところでございまして、県としても適切な研修体制を構築することが重要と考えております。このため、現場の支援員の方々の意見をお聞きし、研修の実施場所や回数など具体的な研修計画を現在検討してるところでございます。こうした取り組みを進めることにより、支援員の確保、育成を支援していきたいと思います。

 次に、放課後児童クラブの利用時間の延長についてでございます。

 県内の放課後児童クラブを設置している16市町に調査をいたしましたところ、放課後児童クラブの終了時刻は18時または18時30分までがほぼ全て大半でございます。また、時間延長を実施している6市町における延長時刻は18時30分から19時30分までの間となっております。全国調査の結果もほぼ同じ傾向にございます。放課後児童クラブの利用時間の延長につきましては、どの程度保護者のニーズがあるのか、また経費的な負担がふえるのか、また学童保育の条件体制整備として基本的にどこまで行うのかといった県内市町村のお考えをよく聞きながら、その上で県として何ができるかっていうことを考えていきたいと思います。

 次に、支援員の待遇改善でございます。

 先ほども述べましたとおり、今後放課後児童クラブの質の改善がより重要となってきますが、その柱の一つが資格を持った支援員の確保であると考えます。今年度から、支援員は認定資格研修を受講し、児童の育成に必要な知識と技能を習得することが義務づけられ、その位置づけと職責がますます高くなってきたところでございます。一方、全国の調査では、放課後児童クラブの支援員の収入は、その7割弱が年収150万円未満となっております。こうした状況は、国の補助単価が支援員の人件費を非常勤職員を前提として積算されているということが要因の一つではないかと推察をされます。支援員は必要な知識と技能を持って、子どもの状況や発達段階に応じてその健全な育成を支援するものとされておりますので、こうした職責に見合う研修体制や賃金水準の充実が求められております。今後、これにつきましても市町村の考えもよくお聞きし、国への制度充実の要望も含めまして、県として何ができるかを検討していきたいというふうに思います。

 この項の質問の最後に、放課後児童クラブの御指摘のあった山積するさまざまな課題に対して、現場の実態をよく把握して支援策を検討すべきではないかというお尋ねでございます。

 県内の放課後児童クラブは、その設置場所、学校の余裕教室ですとか専用施設のほか、民家や空き店舗に設置されてるものもございます。また、運営も市町村直営のものから社会福祉法人だったり、父母会などの民間が運営するものまで、また児童数の規模や指導に当たる支援員の体制も地域によってさまざまな状況にございます。こうしたことから、現場の実態をよく把握することが重要というふうに考えておりまして、私自身も、先般幾つかの放課後児童クラブの状況も見てきたところでございます。御指摘のあったさまざまな課題につきましては、まずは運営の主体であり責務を持つ市町村が、その方針、あり方を明確にすることが重要と認識をしております。県といたしましては、市町村のそういうお考えや現場の声もよく聞きながら、どのような対応が、対応ですとか支援が必要なのか考えてまいりたいと思います。

 次に、病児・病後児保育について、まずその現状と課題についてでございます。

 病児保育事業は、病気治療のため集団保育が困難な児童、これが病児、それからまた病気は治癒したが回復期にある児童、これが病後児でございまして、その保護者の事情で家庭で保育を行うことが困難な児童を、病院や保育所などの専用スペースで看護師等が一時的に保育を行う事業でございます。県内では、今年度病児保育事業については5市町の12施設、病後児保育は9市町の13施設で行っております。病気の子どもを安心して預けることができる病児保育というのは、仕事と子育ての両立を支援、支えるための家族の安心のとりでというふうに認識をしております。したがいまして、全ての市町村で実施されることが望ましいと県のほうでは考えております。現状は7町村で未実施であることや、実施済みであっても需要に十分応えられていない市町村もございますので、そういった課題があると認識をしております。

 最後に、病児保育の拡充に向けた市町村への支援についてでございます。

 先ほど申したとおり、働きながら安心して子育てができる環境をつくるためには病児保育は大変重要でありまして、県としても、その体制整備を支援していく必要があると認識をしております。病児保育につきましては、施設改修などの開設準備経費、看護師、保育士の人件費など運営費に対する国庫補助制度があり、県としてもこれを活用して、これまで支援を行ってまいりました。このたび作成をいたしました島根県総合戦略におきましては、安心して子どもを育てる環境づくりを推進するため、病児保育の実施箇所数の拡大を目指しまして施設整備に対する支援を強化をするということとしております。具体的には、病児保育未実施市町村の解消、既に実施している市町村についても受け入れ態勢のさらなる充実を視点としておりまして、今後、市町村支援の方法や具体的な内容につきまして、新年度予算編成を通じて検討していきたいというふうに考えております。私からは以上でございます。

▼○議長(絲原德康)▽ 冨樫土木部長。

 〔冨樫土木部長登壇〕

▼○土木部長(冨樫篤英)▽ 外園海岸の侵食状況、海岸の保全について2点御質問がございました。

 外園海岸の侵食状況と侵食の要因について、まずお答えいたします。

 外園海岸では、海岸延長3.8キロメートルのうち北側1.7キロメートルの区間で、砂浜の侵食により過去40年間に最大80メートル海岸線が後退しておりまして、それ以外の区間では砂浜は安定しておりました。この侵食の要因につきまして、外園海岸の砂の移動について、北向きの波によって侵食され、南向きの波によって堆積するというメカニズムによって海岸線が安定しておりました。しかしながら、大社漁港などの整備によりまして南向きの波による砂の堆積が阻害され、結果、侵食が助長されたと調査結果が得られたところでございます。

 2点目の、薗長浜土砂管理計画の概要と計画遂行に向けての今後の対応についてでございます。

 昨年度、大社漁港から多伎までの15キロメートルの区間におきまして、砂の大きさごとに投入した砂がどのように動き、砂浜に安定して定着するかなどのシミュレーションを行ったところでございます。そして、その結果を踏まえ、投入する砂の大きさや投入に適した範囲などを定めました薗の長浜土砂管理計画を今年度作成したところでございます。今後は住民へ説明をした上で、関係機関と調整しながら近隣の工事現場で発生します適した大きさの砂を海岸に投入し、砂浜の安定を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

 

▼○大国陽介議員▽ 知事に1点と、健康福祉部長に1点、それと、済みません、土木部長にも1点、再質問させていただきたいと思います。

 まず、TPPについてでありますが、国会でこの決議に対してどうだったかというのを議論するのは当然のことだと思うんです。島根は農業は基幹産業であります。その島根の知事として、今度のTPPの大筋合意の内容が国会決議と照らしてどうだったのか、ここはぜひ明らかにしていただきたいと思います。所見を伺います。

 2つ目に、健康福祉部長に伺います。

 子育て支援全般にわたることになるかもしれませんが、今回の質問では児童クラブと病児保育ということを取り上げさせていただきました。例えば病児保育について、この間、出雲市の認可保育所保護者会連合会という団体がございますが、ここが今年度とったアンケートの中で、病児保育を利用されたことがあるかという問いで、あると回答された方は14.12%、ないと回答された方は85.88%に上ります。さらに、この同じアンケートの中で、病児保育を利用されたことがありますかという問いは同じなんですが、自宅から保育室までの距離、どれぐらい離れてるかによって尋ねたものがあります。1.5キロ以内で住んでおられる方は使ったことがあるという回答が20.8%です。1.5キロ以内の方です。1.5キロから5キロ以内の方が12.1%、5キロ以上離れている方は6.79%であります。ですから、保育室の場所と自宅との距離で相関関係が見られると思います。ですんで、潜在的な需要はかなりあるというふうに見ております。私が申し上げたいのは、前向きな答弁もあってありがとうございましたが、今後、子育て支援の充実、さまざま検討されると思いますが、現場の、そして保護者のニーズをよくつかむということが大事だというふうに思いますんで、そこをしっかり把握することは県としても怠らないでいただきたいというふうに思います。この点について所見を伺います。

 最後、土木部長、済いません、外園海岸の概要をお話しいただきましてありがとうございました。私が最後強調したのは、この計画を遂行するに当たって住民の理解と納得が大事だというふうに強調させてもらいましたんで、この点について再度答弁をお願いしたいと思います。以上です。

 

▼○知事(溝口善兵衛)▽ お答えいたします。

 大国議員の御質問は、国会決議についてどうかと、こういうことでございますが、私も国会決議というのを見ておりますが、いつの時点でいつまで拘束してるものかっていうことはなかなかはっきりしないんです。そこら辺を私は有権的な解釈するのはちょっと無理だろうと思います。例えば読んでみますと、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外、または再協議の対象とする。この再協議っていうのはどこまでのことを言ってるとか、そこら辺はよくわからないです。国会決議は、本体はこれだけなんですけれどもね。どういうことを考えられて言ってるかっていうのは、それはやはり国会で議論をして決めないと。部外者が、さっきの再協議の対象とするっていうのはいつまでの期間のことを例えば言ってるのかとか、わからないような気がします。そんなことでございますので、やはり国会においてこうした問題はTPPとの関連で議論をすべきでしょうし、政府も非常に難しい交渉をされてきたわけですけども、いろんな影響もありますんで、いろんな対策もとろうとしてます。そういう中で、国会審議の中でどう扱っていくかという問題ではないかというふうに思います。

 

▼○健康福祉部長(藤間博之)▽ 議員がアンケートの状況についてお話がございましたが、確かにまだまだ病児保育について利用されていない、まだ認知をされていないという状況もあろうかと思います。私も現場に行ってみて、そういう点を感じました。まだ県内全体に絶対数が不足してるということもございますし、利用されてる範囲、認知度が低いというのもございますので、答弁でも申したとおり、病児保育というのは子育て支援の中での本当に安心のとりでということで、今回の総合戦略の中でも支援を強化するということにしておりますので、そういう積極的な姿勢でやっていきたいというふうに考えております。

 

▼○土木部長(冨樫篤英)▽ 委員御指摘のとおり、計画の遂行に当たりましては丁寧に住民に説明をし、御理解を得た上で実施してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

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