· 

6月定例会にて質問に立ち「知事の政治姿勢」「原発の再稼働」「子育て支援」「医療制度『改革』」「県立中央病院の差額ベッド料」「学力テスト」について知事はじめ県の姿勢をただしました。

6月25日、6月定例県議会にて質問に立つ
6月25日、6月定例県議会にて質問に立つ

 6月25日、県議会定例会本会議にて一般質問を行い、「知事の政治姿勢」「原発の再稼働」「子育て支援」「医療制度改革」「県立中央病院の差額ベッド料」「学力テスト」を取り上げ、知事はじめ、県の姿勢をただしました。

○大国陽介議員

 日本共産党の大国陽介でございます。県民の暮らしを守る議席として、原発ゼロ、暮らし、福祉、子育て最優先の県政の実現を目指し、全力で奮闘する決意でございます。

 質問の第1は、知事の政治姿勢についてであります。

 3つの問題について伺います。

 まずは、安全保障法制、戦争法案についてであります。

 安倍政権は、昨年7月、集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を強行いたしました。そして、国会では、それを具体化する安全保障法制、戦争法案が審議をされている真っ最中であります。

 この間の国会での論戦で、戦争法案の問題点と危険性が次々と明らかになっています。

 1つに、自衛隊が地球上のどこにでも出かけ、これまでは行けなかった戦闘地域まで行って後方支援をできるようにしていることです。後方支援という言葉を聞けば、戦場の後ろのほうで物資の補給等を行い、安全な場所であるかのような印象を受けるかもしれません。しかし、後方支援というのは日本の造語であり、国際的には兵たん、ロジスティクスと呼ばれるもので、武力行使の一部とされるものです。当然、攻撃の対象となるもので、攻撃されれば自衛隊も武器を使用することになり、すなわち憲法が禁止する武力の行使につながるものです。

 2つに、PKO法改定で、形式的には停戦合意がなされていても、戦乱が続く地域に自衛隊を派遣し、武器を使った治安維持活動が可能になるということです。これによって、アフガニスタンで3,500人もの死者を出した国際治安支援部隊ISAFのような活動に道を開くことになります。日本と同様、後方支援などの名目でISAFに参加したドイツ軍は、自殺者も含めて55人が死亡しています。日本が治安維持活動や任務遂行のための武器使用を認めれば、自衛隊がドイツ軍と同じ道をたどることも否定できません。

 3つに、日本が攻撃を受けていなくても、集団的自衛権を行使して、自衛隊がアメリカ軍の戦争に参加する危険があるということです。これまで政府は、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと言ってきました。ところが、昨年7月の閣議決定で、武力行使の新3要件を定め、他国に対する武力攻撃でも、日本の存立が脅かされたと政府が判断すれば集団的自衛権が発動できるようにしました。どんな事態が存立の危機に該当するのかは時の政府の判断となり、アメリカが無法な戦争を引き起こした場合、これを存立危機だと認定すれば、日本が巻き込まれる危険があります。

 安全保障法制について、島根県弁護士会は反対声明を発表しました。国会では、衆議院の憲法審査会に参考人として発言した憲法学者3人全員が違憲だと断じました。戦争法案、安全保障法制は、どう見ても、武力の行使を禁止した日本国憲法第9条を踏みにじる違憲立法であることは明白ではありませんか。

 戦争法案に関して、県内外の方からお話を伺いました。自衛隊のOBの方からは、憲法解釈を強引にねじ曲げる安倍さんのやり方は絶対におかしい、隊員の御家族からは、とにかく海外へ行かないことを願うのみです、行けば無事を願うことしかできません、法案は廃案になってほしい、国民の命を守るために自衛官になったのにこれからどうなるのかとの不安の声を伺いました。

 最近の世論調査では、8割の方が説明は不十分とし、同様に8割が廃案や慎重な審議を求めると回答しています。県民の圧倒的多数は、法案の成立など望んでいません。出雲の陸上自衛隊駐屯地で働く隊員の皆さんやその御家族の方々も、今度の法案に不安を感じていらっしゃることと思います。

 知事に2点伺います。

 知事は、昨年11月議会で、集団的自衛権の行使容認について、政府におかれましては十分に検討されまして、国民に対して丁寧に説明をしてやっていただきたいと思っていると答弁されています。しかし、そうはなっていません。知事は、今度の法案が十分な検討が行われ、国民に対し十分な説明がなされているものとお考えですか、所見を伺います。

 地方自治体の役割は、住民福祉の増進、すなわち島根県政の役割は、県民の暮らしと命を守ることにあります。県民の暮らしを守る自治体のトップとして、安倍政権に対し、憲法9条を踏みにじる違憲立法の戦争法案を廃案にするよう強く働きかけることを求めます。

 同時に、平和を守り、憲法を生かす知事の積極的な行動を強く求めますが、所見を伺います。

 次に、消費税の増税について伺います。

 昨年、消費税の8%への増税が行われました。実質賃金は24カ月連続でマイナスです。年金の削減、相次ぐ社会保障の後退、地域経済の低迷などで、県民の暮らしと中小業者の経営は大変な状況です。材料費の値上げに加えて消費税の増税で確実にもうけが減っている、商売がいつまで成り立つのか、年金の減額に加えて増税で生活費のやりくりが大変、このような声がたくさん寄せられています。これ以上の増税が実施されれば、どうなるでしょうか。

 消費税は、所得の少ない人に負担が重くのしかかり、中小業者の経営を逼迫させ、地域経済に大きな打撃を与えるものです。負担を求めるのであれば、大もうけを上げている大企業と大金持ちにこそ、その体力にふさわしい応分の負担を求めるべきではありませんか。

 消費税の増税は社会保障の充実のためと大宣伝が行われましたが、国の社会保障の削減は一層強められています。2年後の消費税10%への増税に反対するとともに、県民の暮らし、中小業者の経営、地域経済を守る知事の決意を伺います。

 3つ目に、TPPについて伺います。

 安倍首相は4月29日、アメリカ議会で、TPPについて、日米間の交渉は出口がすぐそこに見えていると言明し、早期妥結に強い意欲を示しました。アメリカでは、大統領に通商交渉の権限を一任するTPA法案が可決され、今後、TPP交渉が一気に加速することが予想されます。

 日本国内では今、米価の下落が農家に大きな衝撃をもたらしています。その上、TPP参加となれば、島根と日本の農業は壊滅的な打撃を受けることになるでしょう。地方創生を進めるのであれば、地方を疲弊させるTPP交渉の撤退こそ日本がとるべき判断ではないでしょうか。農業に壊滅的打撃を与えるTPP参加と地方再生は両立し得ないものと考えます。

 島根の農業を守るため、TPP参加阻止に向け、県民とともに声を上げていくことこそ地方政治の役割ではないでしょうか。知事の所見を伺います。

 質問の第2は、島根原発の再稼働についてであります。

 福島原発事故から4年3カ月がたちました。福島の原発事故から教訓にすべきは何だったでしょうか。原発は苛酷事故を起こし得ること、一たび事故が起きれば時間的にも空間的にも被害が拡大してしまうということ、今の人類の技術では原発事故を完全に防ぐことも放射能を無害化することもできず、安全に制御することは不可能ということではないでしょうか。

 全国で唯一、県庁所在地に位置する島根原発は、現在、2号機の新基準適合性確認審査が原子力規制委員会によって行われ、現在、55回目の審査会合が終了したところであります。これまでの対応を見るだけでも、十分な活断層調査が行われているとも言えず、また実効性ある避難計画すら未確立であり、30キロ圏内の自治体とは安全協定すら締結されていません。

 原子力災害の特殊性を考えるとき、どんなに原発の安全性を追求し対策を講じても、どんなに避難計画を練り上げ訓練を重ねたとしても、絶対の安全などあり得ません。避難計画の実効性を高めることはできたとしても、完璧な計画を策定することなど不可能であると考えます。

 この間、知事は原発について、国において議論すべきものとの答弁を繰り返していますが、原発は島根県政の最重要課題です。政府の方針は、新規制基準をクリアした原発を再稼働させるとしていますが、これは国民、県民の願いに真っ向から反するものです。原発を動かさないことこそ政治がすべき決断であり、再稼働など論外です。

 原発ゼロに向けた知事の決断を求めます。

 また、この決断があってこそ再生可能エネルギーの普及が加速度的に拡大するのではないでしょうか、所見を伺います。

 質問の第3は、子育て支援の充実についてです。

 子育て支援策を充実させることは、保護者の強い要求であると同時に、人口減少、少子化対策、地方の活性化などに対する有効な手だての一つであり、日本社会全体で取り組むべき最重要課題の一つです。

 子育ての経済的負担の大きさを御存じでしょうか。毎日の食費や衣類を始めとする生活費や保育料、医療費、保険料、教育費、部活動に係るお金、進学した際の生活費や学費負担に備えた貯蓄など、お金にまつわる不安が頭から離れることはありません。

 地方創生を言うのであれば、子育ての負担軽減こそその柱の一つとすべきではないでしょうか、所見を伺います。

 子どもの健やかな成長は、親の一番の願いです。中でも、医療費の負担軽減を求める声は切実です。

 県を始め各市町村が実施する医療費助成制度によって、安心感は高まりつつあります。特に医療費の無料化は、大きな安心となっています。財布の中身を気にすることなく安心して医療機関を受診できる、子どもが入院してもお金のことだけは気にしなくていいと、大変喜ばれています。

 現在、県内19市町村のうち16市町村で県の乳幼児医療費助成制度に上乗せして助成が実施され、10の市と町で中学卒業まで無料に、さらに18歳までを無料の対象としている自治体もあります。県制度が拡充されれば、市町村はさらに子育て支援に予算を回すことができるようになります。

 県として市町村の取り組みを支援し、県制度として中学卒業まで医療費を無料にすることを求めます。所見を伺います。

 次に、保育料についてです。

 保育料は、県内全ての市町村で国基準を下回る金額が設定されています。これは、国基準が高過ぎることをあらわしているとも言えます。

 現在、国の制度として、同時入所に限って2人目を半額、3人目以降を無料とする制度があり、市町村でも同時入所のいかんを問わず半額あるいは無料とする自治体もあります。一方、出雲市では、2007年度より実施されていた保育料の第3子以降無料が見直され、助成制度が大きく後退しました。保護者からは、無料であることを期待していたのにはしごを外されたよう、将来の生活設計が狂ってしまう、行政は子育て支援に関心がなくなったのかと、失望と怒りの声が上がりました。

 市町村へ財政支援を行い、保育料の負担軽減を図るべきと考えます。所見を伺います。

 質問の第4は、医療保険制度改革についてであります。

 5月27日に成立した医療保険制度改革関連法は、入院食費の引き上げ、紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担、保険のきかない医療を広げる患者申し出療養の導入などのほか、国民健康保険の都道府県単位化とそれにリンクする医療費適正化計画の策定が盛り込まれています。国保の都道府県化は、さらなる保険料の上昇を招くものです。

 適正化計画では、医療給付費の目標総額が決められ、地域医療構想によって、都道府県が指令塔となって強力に医療費を削減する仕組みが導入されたと言えるものです。これらが県民に負担増をもたらすとともに、医療を受ける権利を大きく後退させることになるのではと強く危惧するものであります。

 そこで、伺います。

 1つに、国民健康保険についてであります。

 国保は、中小業者や年金生活世帯、非正規労働者、無職の方などが加入する健康保険で、国民皆保険制度の最後のとりでとなる医療保険です。国庫負担の引き下げが保険料の高騰を招き、県民の命と健康を守るべき健康保険が逆に生活を苦しめるものとなっています。

 保険料が納められずにいると、窓口で医療費の全額を請求される資格証や、有効期限の短い短期証が発行され、受診抑制による重症化、生計費の圧迫など、各地で大きな問題となっています。保険料が払えず、厳しい取り立てに、住民は苦しんでいます。

 国に対し、国庫負担の抜本的な引き上げを求めるとともに、国保会計への財政支援の強化を求めます。所見を伺います。

 次に、地域医療構想の策定と医療費適正化計画の見直しについてです。

 地域医療構想では、医療費総額の目標が定められ、県内7つの2次医療圏ごとに、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの種別ごとに病床数の整備目標が定められます。島根県でいえば、9,200床を3割削減し、6,200床へと大幅にベッド数を減らす試算が示されています。病床削減で無理やり医療費を抑え込むことなど、県民の命と健康を守る自治体の仕事としてやっていいことではありません。在宅への転換を促すとのことでありますが、これらは今でも不十分な医療体制を一層弱体化させるものであると言わなければなりません。

 医療機関、介護事業所を始め医療介護現場の実態、患者や利用者の声、地域住民の声をよく把握するとともに、病床削減、住民負担増ありきの地域医療構想や適正化計画とならないようにすべきではありませんか、所見を伺います。

 質問の第5は、県立中央病院の差額ベッド料についてです。

 自治体病院の役割は県民の健康と命を守ることにあり、採算性や経営効率が優先され患者の利益が後景に追いやられることなどあってはなりません。

 先日、出雲市にある県立中央病院に入院された方の御家族から、入院費用が高く支払いが大変、何とかならないものかとの御相談を受けました。お話を伺うと、個室料の負担が大きいことがわかり、さらに本人や御家族の十分な理解を得ないまま個室入室への同意書への署名を求めていたことが明らかになりました。御家族は、個室を特にこちらから希望したわけではなく、書かなければならない入院の手続書類の一つと思った、病院にお世話になる立場としては特にお金のことで疑問があってもこちらからは言いづらいとのことでありました。

 県立中央病院の入院患者や御家族の方から、同様の相談は過去にも多く寄せられています。議会で何度も指摘されていますが、同趣旨の相談は後を絶ちません。

 本来であれば、お金のあるなしによって医療に格差を持ち込む個室料などは請求すべきではありません。厚生労働省通知では、同意書による確認がない場合に加えて、治療上の必要によるもの、病棟管理の必要性等から入室させた場合で患者の選択によらないものについては個室料を請求してはならないとされています。

 2点伺います。

 1つに、現在、入院の際の個室への入室及び同意書への記入の手順がどうなっているのか、詳細にお示しください。

 2つに、患者側から個室を希望したいとの申し出があって初めて、十分な説明とともに同意書の記入を求めるべきではありませんか。入院個室料の請求をめぐって患者に不利益が絶対に生じないよう改善を求めますが、所見を伺います。

 最後は、全国学力テストと、県教委が実施する県学力調査についてであります。

 教育長は、昨年の11月議会での質問に対し、学校の序列化や過度な競争につながらないような配慮が大切と答弁されています。松江市が学校別結果を公表し、出雲市でも、数値の公表は行わないものの、文章の記述による結果公表が行われています。

 今、教育現場はどうなっているでしょうか。全国学力テストの答案用紙が学校でコピーされ、先生方によって採点が行われていることが明らかになりました。学校別の結果を公表した松江市では、うちの学校の点数が低いのは先生の力量がないから、うちの子が足を引っ張っている、テストは受けさせないようにしたほうがいいのかなどと、懸念をされた学校の序列化が生じ、生徒や保護者間でのあつれきが生まれています。

 出雲市内のある学校では、PTA総会の際に市教委より学力テストの結果の概要が示され、教育委員会からのお願いと称して、「早寝早起き朝ごはん」など規則正しい生活を送ることや、子どもの家庭学習に協力するようにと保護者への要請がなされています。学力テストの点数を上げるために、学校現場のみならず保護者にまで協力を求めることなど、義務教育の根幹にかかわる本末転倒な事例ではないでしょうか。それぞれの家庭の子育てに教育委員会が不必要に介入していると言っても言い過ぎではないでしょう。

 義務教育の役割は、社会に出るための最低限の知識とともに、みずから学ぶ力をいかに児童生徒に身につけさせるかということであると考えます。真の学力向上のため行政が今行うべきは、いじめのない学校づくりや、就学援助制度の充実、学費負担の軽減、学校施設の修繕などの環境整備、学校経費の住民負担の軽減、教員の多忙解消などではないでしょうか。

 学力テストで示されるのは学力の一部と言いながら、点数がひとり歩きし、過度な競争と学校現場の負担増加を招いています。既に、懸念された弊害が生じているではありませんか。

 2点伺います。

 1つに、学力テストの学校別結果公表は序列化ではないのですか。学校現場や保護者間、地域住民に結果が伝わることで、学校間の競争があおられているではありませんか。認識を伺います。

 2つに、学力調査を行うのであれば、全学校全員を対象とする悉皆調査である必要は全くありません。教育の過度な競争を招き、現場に圧力を与える全国学力テストへは参加をしないこと、県の学力テストは実施しないことを強く求めますが、いかがですか、所見を伺います。

 また、就学援助制度の充実や学費負担の軽減、教員の多忙化の解消こそ学力向上の確かな道であると考えますが、所見を伺います。(拍手)

 

○副議長(大屋俊弘)

 溝口知事。

 〔溝口知事登壇〕

 

○知事(溝口善兵衛)

 大国議員の御質問にお答えを申し上げます。

 最初の質問は、安全保障関連法案についてであります。

 議員がおっしゃりますように、この法案につきましては、政府と野党の間で意見が異なっておるわけでございます。また、世論調査におきましては、国民的に理解が得られているとは必ずしも言えない結果なども出ておるわけでございます。

 この法案は、国会で審議をし、決めて、いろんな長い間議論してるわけでございますが、会期が延長された国会におきまして、やはり政府政党間でよく議論をされて決着を図るべきだというふうに思います。憲法の問題については、いろんな論議がございます。それは最終的には司法の判断が求められれば最高裁が法廷で決めていくと、そういう仕組みの中でこの問題を考えていく必要があろうかというふうに思う次第でございます。

 それから、2番目の質問も似た関係にございますけども、安全保障関連法案に関する働きかけについての御質問でございますが、集団的自衛権の行使を可能とする法案は、与党は憲法の解釈として裁量の範囲内だと、こういう説明をされ、野党からは憲法違反だという意見があるわけでございますが、やはりいろんな意見が国民の間でもあるわけであります。政党の間でもあるわけでございます。したがいまして、国政の最高機関であります国会において十分な議論を尽くすということが最も大切なことかと思います。

 消費税の問題につきましては、10%増税に反対するとともに、中小企業者等への配慮、守ることについてどう考えるのかという御質問でございます。

 この消費税引き上げの問題は、長い間、各党あるいは政府で議論をされ、その上で2012年、今から3年ぐらい前でありますが、当時の野田政権のもとで、関係の与野党間で合意が成り、消費税を当初は今年10月までに10%に引き上げるという法案が通り、それをその後修正をされて、平成29年4月に変更になったわけでございますけども、そういう経過を経て10%という率が決まってきたわけでございます。この法案につきましては、やはり国、地方を通じまして人口の高齢化が進み、そしてそういう中でも経済の停滞などもあり、国、地方を通じて財政が悪化をしておるという中で、国民負担を引き上げることによって、増大する社会保障関係費の手当てをしようと、そういうことで合意ができたわけでございます。やはりそうした中でこの問題を考えていく必要があろうかというふうに思う次第でございます。

 そして、ただ県としましては、そうした消費税10%への引き上げを行う際には地方経済への影響に十分配慮して対策を講ずるべきであるということを、重点要望などを通じまして国に要請をしてきておるところでございまして、今後もそういう点についてはしっかりとやってまいりたいと考えているところであります。

 次に、TPPに関連してでございますが、この問題につきましては一昨日、和田議員の代表質問でもお答えをいたしましたが、TPP交渉への対応につきましては、県議会とも一緒になりまして、次のことを国に対して重点要望の中でも表明をしてきておるところでございます。影響が甚大な農産品などについては関税撤廃の例外措置を確保すること、交渉の進展について適時に十分な情報提供、説明を行うこと、またTPPが国益を損なうということになるのであればTPP不参加を含め国民の意向をよく酌んで慎重な対応をとることということを申し入れておるわけでございまして、引き続きいろんな機会に国にも要請をしていきたいと考えております。

 次に、原発ゼロに向けた決断を求めるがという御質問でございます。

 この問題につきましては、いつも申し上げておりますが、原発につきましては国民の間、県民の間で違う意見がいろいろあるわけでございます。こうした重要な問題につきましていろんな意見がある場合には、やはり関係者の御意見などをよくお聞きをし、原発ですと、島根の場合ですと立地自治体がございます。そしてまた、周辺自治体がございます。周辺自治体、立地自治体の中にも多くの市民、県民の方がおられるわけでございますし、また隣県の鳥取県に対しましても私どもも意見を聞くようにしておるわけでございます。

 そういう中で、県としましては、原子力規制委員会の審査が終了した後、政府の考え方をよくお聞きをし、県議会を始め県安全対策協議会、原子力安全顧問、あるいは松江市、鳥取県含めた周辺自治体などの意見もよく聞いて総合的に判断していくほかはないというのが私の考えでございます。

 次に、原発ゼロの決断と再生可能エネルギーの普及拡大についての御質問でございます。

 政府におかれましては、今後の電源構成をどうするのか、あるいはCO2排出削減に向けてどうするのか、検討が進められておるわけでございます。その中で、再生可能エネルギーにつきましては次のような論議がなされております。

 1つは、安定的な運用が可能な地熱、水力、バイオマスはベースロード電源としての役割を担っており、原子力発電との代替性が見込まれることから、積極的な拡大により原発依存度の低減を図る。他方、自然条件によって出力が大きく変動する太陽光、風力は、国民負担抑制とのバランスを踏まえつつ、コスト負担が許容可能な範囲で最大限の導入拡大を図るというふうな方針で検討されておるわけでございます。

 こうした議論を踏まえまして、国は再生可能エネルギーについてそれぞれの特性に応じた最大限の導入拡大と国民負担の抑制の両立を図ろうとしております。県におきましては、国の政策の整合性を確認をしながら、県の再生可能エネルギーの導入拡大を積極的に推進する考えであります。

 次に、子育て負担の軽減についての御質問でございます。

 平成26年3月に実施をしました島根県少子化に関する意識調査では、子育てに負担や不安を感じている方の割合が75%に上っております。その理由として、子育てにお金がかかる、仕事と子育ての両立が難しい、親としての責任を果たすことができるかどうか不安だと、こうしたことでございますから、子育て世帯に対する支援は重要な課題だと考えております。

 地方創生におきましては、社会全体で子育てを支援する環境づくりを進め、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえることが大きな一つのテーマでございます。現在検討中の総合戦略の中でも、重要な柱として子育て支援を位置づける考えでございます。そうした中で、子育て支援のあり方について、今後、議会を始め各方面の意見を聞きながら検討してまいる考えでございます。

 次に、医療費の無料化についての御質問でございます。

 中学校卒業まで無料化をすべきではないかということについての所見を問うということでございます。

 島根県におきましては、就学前の子どもを対象に医療費の自己負担を軽減する事業を実施しております。さらに、県内全ての市町村が独自の上乗せ助成を行っておりますが、その内容は市町村によっていろいろ違います。

 また、全国でも全ての都道府県が独自の助成措置を設けておりますが、それもいろいろな対応があるわけでございます。簡単な比較はできませんけども、対象年齢で見ますと、島根県と同様に就学前の子どもを対象としている県は、入院で23県、通院で33県ありまして、全国でも中位の水準にあるというふうに思っております。

 私は、本来は、子どもの医療のような基本的な、国民にとって基礎的なサービスは、全国どこでも一定の基準で同じようなサービスが受けられるよう、国による統一した制度が必要だというふうに考えております。これは知事になる前からそういう考えでございますけども、しかしそういうふうになかなかならないわけでございます。それで、市町村によっては、どこそこの市町が実施をしますと、それに追随をするということが起こっておるわけでございまして、非常にこういう基礎的な社会保障の制度になってるというのは不思議な感じがするわけでございます。

 そのため、私どもは国に対しまして、子どもの医療費負担のさらなる軽減を求めてきておるわけでございますが、このような状況の中で、県の制度の変更につきましては、現状では、市町村や県財政などにどのような影響があるかなど、検討すべき課題がまだまだあるように認識をしております。そういう検討を踏まえ、あるいは各市町村の御意見、県民の皆さんの御意見など、あるいは議会の御意見などもよく聞きながら対応していかなければならないというふうに考えておるところであります。

 保育料の負担軽減についてでございますが、島根県の状況について申し上げますと、平成15年度から、第3子以降の3歳未満児に係る保育料を軽減する事業を実施しております。現在、県内18の市町村がこの軽減制度を活用し、保育料の軽減を実施をしております。島根の軽減制度は、未実施の都道府県が21ある中で、全国で中位のところにあるんではないかと見ております。

 そうした中で、医療費の場合と同様、制度の変更につきましては、現状では、市町村や県財政にどのような影響があるかなど、検討すべき課題が残っておるという感じがいたしております。関係方面の意見などもよく聞きながら検討すべき課題ではないかというふうに思います。

 国民健康保険についてであります。

 国保は、年齢構成が高く、1人当たり医療費が高い、所得に対して保険料負担が重い、国保財政は赤字など、構造的な問題があるわけでございます。国保の問題解決に当たりましては、全国一律の制度として、制度設計に最終的に責任を持つ国により財源手当てがなされるべきだというふうに私も考えております。

 平成27年4月の全国調査によりますと、市町村国保に対し赤字補填のための財政支援を行ってる都道府県はない状況でございます。県としましては、過度な保険料の負担が生ずることのないよう、全国知事会や重点要望を通じまして国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 なお、市町村の保険料の徴収に当たりましては、滞納者に対しまして親身な相談収納活動に心がけ、経済状況を十分に把握した上で適切な対応をするよう、引き続き指導助言を行ってまいりたいと考えているところであります。以上であります。

 

○副議長(大屋俊弘)

 藤間健康福祉部長。

 〔藤間健康福祉部長登壇〕

 

○健康福祉部長(藤間博之)

私からは、地域医療構想の策定や医療費適正化計画の見直しに当たっての考え方についてお答えをいたします。

 地域医療構想につきましては、今年度から策定作業に入ることとしておりますが、構想策定後、将来の医療費の伸びを適正化するための医療費適正化計画の見直しに着手することとされております。地域医療構想におきましては、診療報酬による病床区分など、国が示しました一定の過程のもとで、2025年の病床数を試算することとなります。

 地域医療構想は、病床の削減を目的とするものではなく、その指標をもとに市町村や医療関係団体など幅広い関係者の声をよく聞き、それぞれの地域の実情に合った医療介護体制の構築に向けて議論を進めることが目的というふうに考えております。そのため、本年5月1日の医療審議会におきまして、各圏域を代表する医療機関を集めました専門部会を設置することを決めており、今後、この専門部会で全県にかかわる議論を進めてまいります。また、各圏域では、昨年度、保健所を中心に地域医療構想調整会議を設置しておりまして、医療関係者、介護関係者、市町村、保険者協議会等の幅広い関係者による議論を進めてまいります。

 また、地域医療構想と整合性を持って見直すこととされている医療費適正化計画でございますが、これは健康診査受診率の向上ですとか、後発医薬品ジェネリックの普及なども含めまして、県民の医療費を適正化する計画でございまして、病床削減ありきの計画ではないというふうに認識をしております。今後、市町村など関係機関の意見をよく聞きながら策定作業を進めてまいります。以上でございます。

 

○副議長(大屋俊弘)

 糸賀病院局長。

 〔糸賀病院局長登壇〕

 

○病院局長(糸賀克已)

 私のほうからは、中央病院の個室についての御質問にお答えをいたします。

 まず初めに、個室への入室と同意書の記入の手順についてでございます。

 個室、いわゆる差額ベッドでございますけれども、これは利用者の方に料金を負担していただき、バスやトイレなどを備えました特別の環境を提供いたします個室のことでございまして、現在、中央病院におきましては98室ございます。この差額ベッドは、療養環境の向上に対するニーズの高まりに対応いたしまして、患者さんの選択の機会を広げるために提供されるものです。厚生労働省の通知では、患者の自由な選択と同意に基づき提供すべきもので、書面による同意の確認が行われていない場合などは料金を求めてはならないとされております。

 中央病院における具体的な入院時の手順でございますけど、まず入院の予約時に、入院希望日の確認にあわせまして個室の希望について患者さんに確認をいたします。その後、入院の申込手続に入るわけでございますけど、この際、入院案内の小冊子というものをお渡しします。この中で、個室を希望される場合は特別室の入室申込書兼同意書というものを提出いただくことを周知をしております。その上で、入院の当日に、個室を希望される患者さんに対しまして、病棟の看護師長が個室の設備や料金等の内容、あるいは空き室の状況等を説明いたしまして、病室を決定することにしております。そして、病室の決定後、患者さんには、先ほど申し上げました申込書兼同意書を記入いただき、部屋を利用いただいておるとこでございます。これが中央病院におけます一般的な手順となっております。

 続きまして、患者さんから個室を希望したいという申し出があって初めて同意書の記入を求めるべきという質問でございます。

 個室の入室に当たりましては、議員御指摘のとおり、まず患者さんからの申し出があり、病院側から説明を行い、その上で同意書の記入をいただくべきものと考えております。先ほどの一般的な手順にも、これに沿った形で行っておるとこでございます。

 なお、中央病院におきましては、申込書と同意書を別々に出していただく患者さんの負担も考慮いたしまして、実際には申し込みは事前に口頭でお聞きし、その後、病院の空き室の状況等を説明した上で、申し込みと同意が一つになりました申込書兼同意書を記入いただいているとこでございます。

 最後になりますけれども、個室料の請求に係る改善策についてでございます。

 中央病院におきましては、過去、厚生労働省通知に反する事例があったことなどから、平成21年12月に、差額ベッドの対応の徹底を図るため、院内の運用マニュアルというものを作成いたしまして、担当者に対する研修等、毎年行ってきたところでございます。しかしながら、議員から御指摘のあったような事案、あるいはその他、患者さんと病院側の意思疎通が十分でないケースなどがあったことも事実でございます。

 病院は、患者さんの置かれた立場、状況について十分酌み取って、懇切丁寧に対応することが必要でございます。今後、研修の充実とともに、個々の具体的なケースの検討を通じまして課題の共有を行うなど、運用マニュアルのさらなる徹底を図ってまいります。また、運用マニュアル自体も策定後5年がたっていることから、他の病院のマニュアルも参考にしながら、現在のマニュアルでよいかどうか、現場の担当者とともに検証をしてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(大屋俊弘)

 藤原教育長。

 〔藤原教育長登壇〕

 

○教育長(藤原孝行)

 学力調査についての質問にお答えします。

 まず、学力調査の学校別成績の公表についてです。

 学力調査の学校別結果の公表は、市町村教育委員会の判断で行うこととなっており、文部科学省の実施要領では、過度な競争につながらないよう、数値を一覧にしての公表は行わないこと、公表内容、方法などについては当該学校と事前に十分相談することなどの配慮事項が記載されています。学校別結果の公表は昨年度から可能となったところですが、松江市が数値を含む公表を、出雲市が文書記述による公表を実施し、ほかの17市町村は学校別結果の公表をしておりません。

 学力調査結果の公表については、学校の序列化や過度な競争につながらないよう配慮することが大切であると認識しています。公表による弊害につきましては、県教育委員会としてはこれまで聞いてはおりませんが、いろいろとお話もありましたので、今後、松江市教委などにもよく聞いてみたいと思います。

 次に、全国学力調査への参加、県学力調査の実施などについてであります。

 学力調査の狙いは、各学校が分析結果に基づいて児童生徒の学力の状況や課題を把握し、指導の改善や児童生徒一人一人の指導に生かすこと、児童生徒が自分の強みや弱みを知り、学習への取り組みや生活の改善に生かすことなどが上げられます。そして、学力調査にあわせて行われている児童生徒の学習生活状況に関する意識調査などは、指導上の課題を把握し改善を図るための手がかりとなっております。例えば算数の勉強が好きな児童の割合が島根県では全国に比べて低い状況にあり、算数についての興味や関心を高めるため、指導の改善を図っています。また、学力の育成に有効な学習の目当てを示したり、学習したことを振り返る学習が全国に比べて行われていない状況があり、授業改善の重点課題として取り組むなど、調査結果を有効に活用し、指導の改善を行っております。

 また、県の学力調査は、全国学力調査と比べ、実施学年や教科数も多く、学力状況に加え、学習生活状況についての把握がより総合的にできることから、児童生徒一人一人の個別指導の充実や生活の改善にも活用でき、実施する意義は大きいと認識しております。県学力調査の共同実施主体である市町村の教育委員会からも、継続するよう強く要望されているところです。

 また、議員の御質問にありました、就学支援制度など児童生徒の学習環境を支えたり教員の多忙化の解消を進めたりすることは大切であり、次のような取り組みを行っています。生活学習環境を整え教育の充実を図る小中学校の少人数学級編制、少人数授業や複数教員による指導などきめ細かな指導を行うため教員を増員して配置、いじめ、不登校、問題行動への対応など児童生徒支援が必要な学校に教員を増員して配置などです。このような取り組みは引き続き行っていく必要があると認識しております。以上です。

 

○副議長(大屋俊弘

 大国議員。

 〔大国陽介議員登壇〕

 

○大国陽介議員

 5点について再質問を行います。

 まず1つ目、戦争法案についてであります。

 知事は、国の問題だというふうにおっしゃいました。確かに国の問題だと思います。しかし、この問題は、日本の将来や県民の命にかかわる大きな問題だと思います。そして、今の小さい子どもたち含めて若者が戦争に行くかもしれない、こういう大きな事態の転換を招く法案だというふうに認識をしています。

 私は、国民に対して丁寧な説明がなされてるのかどうか、知事の意見を伺いました。しかし、明確な答弁がありませんでしたので、再度答弁をお願いしたいと思います。

 2つ目は、子育て支援についてであります。

 子育て支援の策がどうかということ、全国の都道府県の中で島根がどうかということも当然これは大事なことだと思いますが、全国に先駆けて県が制度を充実させるということは非常にこれも意義あることの一つだと思います。ほどほどにやっていればいいという問題ではありませんし、保護者の切実な願いであります。財政が関係することですんで、市町村の意見を聞くことは当然のことだとは思いますが、市町村と一緒になって子育て支援策を充実させていこうではないかという県の姿勢が私は大事だというふうに思います。再度、認識を伺いたいと思います。

 次に、国民健康保険についてであります。

 国に対してさまざま働きかけを行っていることは承知をしています。しかし今、保険料の高騰がまさに県民の暮らしを逼迫させている状況があります。所得の2割が国民健康保険の保険料になっていて、これは本当に待ったなしの課題だと思うんです。

 これも同様に財政にかかわる問題ではありますが、県民の暮らしの実態を考えると、早急にこれは策を講じるべきだと思いますし、さまざま自治体の担当者とお話をすれば、財政支援なしにこの問題の解決はあり得ないというふうにおっしゃいます。私は財政支援策講じるべきだというふうに思います。再度答弁を求めます。

 次に、地域医療構想、医療費適正化計画についてです。

 先ほど部長答弁の中で、関係機関の意見をよく聞いた上で策定をするというふうにおっしゃいました。私が伺ったのは、医療や介護現場、事業所含めて、そういう現場の患者含めた、利用者含めた現場の声をしっかりと把握すべきじゃないかということを求めました。これもはっきりとした答弁がありませんでしたので、再度答弁をお願いしたいと思います。

 最後に、教育長に伺います。

 全国学力テスト、県の学力テストで松江市が学校別の結果を公表したことによってさまざま問題が生じているというふうに私認識しております。しかしながら、教育長は先ほど、市教委へ聞いてみたいと。この間、県教委として、松江市あるいは出雲市でどういう状況になっているのか、結果が公表されて何が起きているかということはつかんでこられなかったということなんでしょうか。さまざま耳に入ってると思いますが、これまで把握に努めてこられなかったかどうか、伺いたいと思います。以上です。

 

○副議長(大屋俊弘)

 溝口知事。

 〔溝口知事登壇〕

○知事(溝口善兵衛)

 私には3つ再質問でございます。

 1つは、今、国会で審議がなされている安保法制、法案について十分説明がなされてるのかどうかという御質問でございます。

 そこはやはり先ほどの与野党間で論議がなかなかまとまらないわけでございますし、またそういうものが報道にもあり、国民の間でもいろんな意見があるわけでございます。やはりそういう問題は、やはり第一義的には法案を審議している国会内において処理をするというのが国会の役割でございまして、会期も延長になり、丁寧な説明を行っていくことが必要だというふうに思います。

 こういう問題は難しいわけでございますけども、国政のレベルで議論するもの、国政が担当する分野、そして県が担当する分野、市町村が担当する分野がありまして、私のように県の執行部として選挙で選ばれておりますけども、県の行政の側の責任者としての立場としては、意見を言うというよりも、政治家として言うということはあるかと思いますが、通常の場合は、私の役割は県の執行部、県の行政のトップとしての発言ということだろうと思います。そこは曖昧にはなかなかできないわけでございまして、政治活動をしておるときとか選挙の活動をしてるときはもうそれは政治家としての発言になりますけども、通常の場合はやはり県の行政を担当してる者としての発言ということになろうかというふうに思います。

 それから2点目は、子育ての関係でありますけども、これも私どもは一定の支援をしておりますけども、本来はやはりこうした問題は県の行政から見ますと国がやはりやるべきだというのは、これは県の行政の責任者として感ずるわけでございます。市町村によっていろんなやり方があると、それが放置をされてる、そういうことは行政のあり方として好ましいことではない、それはやはり国の関与が足らないからだということを行政の責任者として申し上げてるということでありまして、これは政治家として言ってる話とは違うわけでございます。その場合に県がどういうふうに対応するかといったことは、県の財政はもちろんでありますけども、市町村の財政にも影響が及ぶわけでございまして、そういう点はよく検討をした上で考えていかなければならない。

 県のことでいいますと、やはり財政の悪化がずっと続いておるわけでございます。そういう中でどういう選択をするかという問題につながるわけでございまして、そこら辺は県財政に与える影響などもよく勘案しながら、この問題は議会でも当然議論をしながら決めていくべき課題だろうというふうに思います。

 それから、国保の問題もそうでございます。国保制度は市町村が担当するという仕組みになっておるわけでございます。しかし、それでそのままですと、地方部におきまして負担が大きくなるという問題がありますから、やはり国がきちっと関与をするという方向でやるべきだろうと思います。国の関与が進みますと、やはり国の財政の悪化ということにつながるわけでございまして、そういう財源をどうやって手当てするかという問題とも絡んでおるわけでございまして、こうした大きな問題につきましてはやはり全体的な枠組みの中で議論をしていかないと、部分的にはなかなか解決ができないということでございます。

 なかなかわかりにくい話で申しわけないわけでございますけども、そんなふうに感じておるところでございます。

 

○副議長(大屋俊弘)

 藤間健康福祉部長。

 〔藤間健康福祉部長登壇〕

 

○健康福祉部長(藤間博之)

 地域医療構想の策定におきまして、もっと医療関係者、現場の声を幅広く聞くべきではないかという御質問をいただきました。

 答弁でも申しましたとおり、基本的には県の医療審議会、そこにおける専門部会ということで、全県単位、それから医療圏単位ということで幅広く関係団体集まって議論を進めますけれども、御指摘のように、各医療圏で本当に地域医療がどうあるべきなのかということを議論しますので、おっしゃるように、審議会のメンバーではない幅広い現場の声も必要であるというふうに思っております。そのあたりは、今後の審議会でのいろんな議論の拾い方というようなことも含めまして、できるだけ幅広くこの医療構想というものの位置づけということも含めまして意見を聞いていくということで進めてまいりたいというふうに思っております。

 

○副議長(大屋俊弘)

 藤原教育長。

 〔藤原教育長登壇〕

 

○教育長(藤原孝行)

 これまで聞いていないということではなくて、松江市教育委員会とか一部の学校の話も聞いておりますけれども、聞いたところでは弊害は起こってないというような話を聞いてて、きょうのお話でしたので、もう一度よく聞いてみたいという答弁をさせていただきました。

 

○副議長(大屋俊弘)

 大国議員。

 〔大国陽介議員登壇〕

 

○大国陽介議員

 知事と教育長に再度質問を行いたいと思います。

 戦争法案の問題、子育て支援あるいは国保の問題等を伺いました。知事は、執行部として、執行部のトップとしての発言だということを強調されました。私、質問項目で上げておりますように知事の政治姿勢についてということで、知事という役職は私は政治家だというふうに思います。しっかりとした県民の立場に立った意見を国に対してもしっかりと発言をするのが責任ある対応じゃないかということを強調したいと思います。ですから、私は戦争法案について言えば、これは県民の命にかかわる大問題で、多くの国民、県民がこの法案は通すべきではないというふうに言っているのだから、知事として国に対しても同様のことを言うというのは、これは当然のことだというふうに思います。このことは、子育て支援やあるいは他の制度についても同様のことが言えると思うんです。ですから、私は、政治家としての知事の意見を再度求めておきたいと思います。

 教育長に再度お尋ねをいたします。

 私は、教育長も一定御存じかとは思いますが、松江市内で特にいろんな弊害が生まれています。学校間の比較だとか、地域住民の皆さんが地域の学校をどう感じておられるのか、現場が非常に実務がふえて大変になってるという状況がありますんで、ここの認識だけは持っていただきたいということを申し上げて、終わります。

 

○副議長(大屋俊弘)

 溝口知事。

 〔溝口知事登壇〕

 

○知事(溝口善兵衛)

 大国議員の御質問、こういうふうに理解しましたけども、私自身は一人の人間ですけども、例えば議会で答弁をするというときは政治家じゃないですね。県の執行部の責任者として議会で発言をしておるわけでございます。もうこの場合は明らかに執行部、行政の責任者としてあそこの席に座り、答弁をしておるわけでございますから、ここではそういう発言をしておるということでございます。

 私が離れまして、全く政治活動をしてるときは、またそれは違う意見があり得るかもしれませんけども、しかしそういう場であるわけじゃないということを御理解いただきたいということです。よろしゅうございますか。

 

○副議長(大屋俊弘)

 藤原教育長。

 〔藤原教育長登壇〕

 

○教育長(藤原孝行)

 先ほど言われたこともよく踏まえて、今後、話を聞いていきたいと思います。